性病科について
性感染症(性病)とは性的接触によって感染する疾患の総称です。英語のSexually-Transmitted-Diseaseを略して「STD」とも言います。
性感染症(性病)と言うと多くの方が身構えてしまいがちですが、早期発見・早期治療が重要です。どうぞ、お気軽にご来院・ご相談ください。潜伏期間中で症状が出ていない時でも、性的接触によって相手の人にうつしてしまいます。夫婦や親しい異性などと、性交渉が潜伏期間中にあった場合は、相手の方も治療を受けましょう。
主な性感染症についてご紹介いたします。
クラミジア
クラミジアに感染している人と性交渉を持つことで感染します。
日本で最も多い性感染症の一つで、自覚症状が出にくく、感染していることさえも知らず、知らない間に他人へ感染させてしまいます。放置すると、女性は子宮頚管炎や子宮内膜炎、不妊症になってしまうなどの症状があり、さらには出産時の母子感染の可能性もあります。男性は慢性的な前立腺炎、副睾丸炎、さらに、肝炎、腎炎などになってしまうこともある怖い病気です。
淋病(淋菌感染症)
淋菌に感染すると、男性では尿道炎、女性では子宮頸管炎などを発症し、放置していると重症化します。早期に発見・治療すれば完全に治すことができます。自然に治ることがないため、必ず検査を受けて治療が必要です。
特に女性の場合には自覚症状が少なく、不妊症や早産、流産の原因にもなるため、要注意です。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスに皮膚の細胞が感染して、イボとなる疾患です。 HPVに感染してから約3週間~8ヶ月の潜伏期間の後、イボができてきます。このイボは、性器や肛門のまわりにでき、かゆみや痛みを生じる場合もありますが、自覚症状の無いことが多いようです。
性器やその周辺に、イボ状の出来物がみられたら、ためらわずに受診して下さい。
性器ヘルペス
ヘルペスとは、ヘルペス単純ウィルスというウイルスに感染することによって起こる皮膚疾患です。
唇や口のまわりなどにできるものを口唇ヘルペス、性器にできるものを性器ヘルペスと呼びます。
基本的には、ヘルペスウイルスに感染している人との性行為によって感染することが多く、感染すると、水疱ができる他に、痛みやかゆみ、発熱などの症状があります。また、一度感染すると、体内にウイルスが住みつき、体力が低下したり、免疫力が衰えた時に何度も再発し繰り返します。
梅毒
スピロヘータの一種である梅毒トレポネーマによって発生する性感染症で、治療薬ペニシリンが発見されるまでは、不治の病として恐れられていましたが、現在では早期に治療すれば完治します。
梅毒に感染していると普通の健康な人よりもHIVに感染する確率が数倍高くなります。実際に梅毒とHIVどちらも感染している例も多々あります。 梅毒に感染したら、HIV検査もあわせて受けましょう。
梅毒に限りませんが、早期発見、早期治療が何より大事です。
エイズ
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することによって、人間に本来備わっている病原体に対する抵抗力(免疫)が、正常に働かなく(不全)なることによって発症する様々な病気(症候群)の総称です。 HIVの感染によっておこる様々な病気をまとめてエイズ(後天性免疫不全症候群)と呼びます。代表的な23の疾患が決められており、これらを発症した時点でエイズと診断されます。
HIV感染は「不安と思われる性行為から3ヵ月後」から検査可能です。治療方法や医療技術の進歩によりエイズの死亡率は激減していますが、それには早期発見・早期治療が重要です。